2017年11月01日

「運慶展」を観てきた

興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」が上野・東京国立博物館・平成館で開催されているので、久しぶりに東京国立博物館に訪れた。

何分待ちとかの情報は「運慶展・混雑情報」のTwitterで定期的(?)に流されているので目安になる。60分待ちだとつらいなと思った。

上野駅に到着してから昼食にした。「UENO3153」の中でも、いつもの安目のステーキにした。最近少食になってきているので満腹感で、平成館へ出かけた。混雑情報を見ると10分待ちになっているので、こんなに満腹にしなくても良かったかな。

当日券売り場でも並んでいるが、少し右を見ると自販機のコーナにはほんのすこししか並んでいない。平日なのでリタイアされた方々が多いような気がする。対人窓口の方が人気があるようだ。

数年前の「阿修羅展」「薬師寺展」のような60分や90分待ちではなかった。現場でも「10分待ち」の看板が表示されていた。確認していたら実際も10分で入館できた。

会場内はそこそこに混雑していて、頭越しに観なければならない場合もある。オペラグラスを持参してくれば良かったと思った。単眼のオペラグラスを覗いている方もいる。進み方は遅いが前方に位置取れる並びにする。説明文に長い時間をかけて進まない集団もあるので、それは後方から読んでバイパスしていく。

無言で鑑賞される方がほとんどだが、私にとっては気になる人達もいる。若いカップル。デート中なのだろうけど、一緒に歩いても良いが、個々で鑑賞して外に出てからカフェとかで感想を話し合えば良いのだろうに。

30代女性の未婚らしい二人連れ。大きめの声で仏像の前で感想を言っている。感想だけではなく、他愛の無い話し合いをしている。テレビの前で話しているような内容だ。「運慶」を観に来たのではなく、時間つぶしに国立博物館に来たのだろうか?

こんな内容をシャットアウトするのにイヤホンで音楽でもかけていたいが、私のイヤホンから音漏れがしていたら、それはそれでブーイングだろうし。

彫刻はどれも素晴らしい、私が言うようなことでもないけれど。国宝級が次から次へと。このような技術を手にするまでは、どんなに研鑽したことだろう。康慶の技術を受け継ぎ、自分の技術を開発し、それを次世代に引き継ぐ。

依頼主の開拓、折衝、制作、納品。現代風に言えばセールス、プレゼンテーション、システム開発、納品、カットオーバー、保守。これをチーム運慶で実施。

仕事に慣れは生じなかっただろうか。ここの衣の襞はこの曲線で、このように彫れば、これまでと同じように高評価が得られる、これは鉄則だ。次の作品も同じような手法で。

でも、これがなければ熟練とか、定朝様とか慶派とか呼ばれる系統も発生しなかっただろうし。

大きな仏像から、小さな仏像、鹿、子犬までたくさんの木造彫刻。普段は分散されている彫刻を一同に鑑賞できた素晴らしさ。所蔵場所では見られない横から、後ろから。

800年前から現代に戻る。


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投稿者 owner : 2017年11月01日