2006年01月28日
巨象はまだ踊っているか?
ビル・ゲイツが脅威と感じているのはGoogleではなくIBMだそうである。
確かにLinuxが売れるとMicrosoftのServer関連ソフトは、その分の売り上げは入らない。
「巨象も踊る」でIBM System360の開発にかけた巨額の資金は回収され、その後長年にわたりIBMを潤していた。営業部隊は企業のコンサルタントのように情報システム部門を引っ張って行った。ガースナーがCEOになる前の話だが、この本にも詳しく載っている。
しかし「ネオダマ」という言葉もあったが、PCなどの予算の執行権限が部長などに移るようになり、IBMからの購入金額は減少して行った。
Microsoftのビル・ゲイツも企業の創成期を「The IBM PC」から基盤を作り、Windows対OS/2でIBMから離れていく。遅れはしたが日本でもWindows3.1でDOSのCUIからGUIへ大きく舵が取られた。そしてIBMのシェアは「こうした連中がひったくっていったのだ。」
そのような時代にガースナーの登場である。「ダートマス大学」「ハーバード・ビジネス・スクール」「マッキンゼー」「アメリカン・エキスプレス」「ナビスコ」そして「IBM」へと。
「巨象も踊る」ではIBMという会社の巨大さ、寛容さ、苦悩、再生が語られる。
2001/09/11連続テロ後のIBM社内の動きが、CEOから社員へのメールの内容で記述されているのだが、心優しい社員の対応と会社の迅速な支援には少し涙腺がゆるんだ。
ガースナーは「IBM経営者の条件」で
(1)エネルギー
(2)組織を率いる指導力
(3)市場でのリーダーシップ
(4)個人の資質
「IBMの指導能力」で
(1)勝利に焦点を合わせる
(2)実行に全力を投入する
(3)勢いを維持する
(4)核心
「成功を収めている経営者の基本的な性格」で
(1)焦点を絞り込んでいる
(2)実行面で秀でている
(3)顔の見える指導がすみずみまで行き渡っている
と記述している。
私が管理・経営などについてメモを録っていたノートのページに
「規則ではなく、例外もある原則」 IBMルイス・ガースナー
とある。そのものズバリの記述はないが、似たような感じの記述はあった。
最近の「ライブドア」に関するニュース・記事を目にしていると、このようなCEOが書いた本を読み返してみるのも、企業統治について再考する一助になるのでは(別に私が巨大企業のCEOではないけれども)。
投稿者 owner : 2006年01月28日